それとね、このバンドはね、29才とか30才とかではじめて聴い たとしても、なかなかそこで好きになるってことになりにくいと思うんだよね。 今CDをきいたりライブに来てくれたりする人の中心は、一番多いのが25才ぐら い。でも彼らも25才ぐらいでも、聴いたのはちょっと前ぐらいなわで、20前後 とか。そこら変で聴いて、で、好きになって、何年かつきあう。そこから生活 ががらっと変わって聴かなくなってしまう。
また、さっきの主婦の人みたいに、また聞き出すという人もいれば。

だから、意外と聞き手の年齢層は高い方ではあるが、聞きだした年齢をずらっ と並べると、結構早いんじゃないかね。早いったって、12才とかではあんまり いないと思うけど(笑)。
20代30代40代というよりは、10代の終わりとか、その辺の人が聴く、という現 象がね、どうも始まりつつあるという気がするよね。


そうですね。それは最近のライブの客層を見ていても、そう思いますね。 はたからみていて、明らかに10代と思われるお客さんも結構いるし。

そういう現象って、何度かあるわけだよね。この20年の中で。まあ、それがな いと全部同世代で終わっちゃう訳で。そのままの幅でね。ちまたではやってい るようなものも聴いて、カラオケにも行くけども、現在ちまたではやってるよ うなものがどっかもの足りなくなって来るんだよね、きっと。
そういうもの足らなくなったときに、もうちょっとなんかあやしげで、面白い ものがあるということで、ムーンライダーズを知る、という様な人も、どうや らいるらしい。


若いお客さんがライブに増えてきたのって、思うに、ちょうど慶一さんがメデ ィアへの露出量が多かったころと一致するような気がするんですが…。

それで知る以外ないじゃない。だからたまには、メディアに出るっつーか、 で、「何してる人か知らないけども…」とかね、「CDを買ってみたら、あれ? おもしろそうだぞ」というようなところから何かが始まる訳じゃない。

だから、やっぱりね、35になってもまだきいたこともなかった人は、一生きか ないで終わるんじゃないだろうか。
その辺の新陳代謝がある時期ある時期おこなわれていて。まあ、新陳代謝って 行っても、我々と同世代の人たちが消えて無くなっていく訳じゃないけど。

例えばね、5年間(ムーンライダーズとしての活動を)休んで、91年に再び「 最後の晩餐」ってアルバムを出した時にも感じたけど、「好きになったんだけ ど活動停止中だった」ってひとが多かったよね。
でも、ムーンライダーズは見れない。なんにも出さない。
だから過去の80年代半ばに出したようなものをきいてたことになるよね。 それでもなかなか、でてこない(笑)。
で、91年にアルバムだして、ライブやったらば、アンケート用紙で「動いてん の初めてみた」って人がいっぱいいて。 ということは、その人たちは少なくとも5年前は知らないわけだよね。
それを知って、結構、勢いづいたよね。

でもまたそれがしばらく経つと、心配になって来るんだよね。
ほんとに、(ファンが)どんどん少なくなって来るんじゃないか、とかさ。
その不安が解消するのは、それは例えば、ライブを沢山やるとか、あちこちに 行くとか、そういうことで活性化する事によって、結局また(ファンが)現れ る。

だからこのネットワークみたいなものが80年代半ばにもう成立していたら、 5年間にいろんな掘り下げが、休んでいる間にも行われているよう なことがあったんだろうねえ。
休んでるったって、いろんな仕事はしてるわけだから。


メディアの露出、って話しで思い出しましたけど、そういえば、例の「ビール の歌」。あれに関しては、niftyの会議室の中でも一時話題に上っていたこと があって、あのCMや曲に対する意見って、賛否両論様々なんですよ。
要するに、「ああいうことは、あまりしてほしくない」みたいな意見もあった り。「ムーンライダーズの夜」の最後のリミックスバージョンの「ビールの 歌」に関しても、同様の意見があるようなんですが…。

ほんとにそれはあるみたいだよね。なぜか。

でもそう言うのも、ネットワークでしれる訳じゃない。早めに。 そんなことがあるって言うのもさ、かつてだったら随分あとになって知るか、 全然知らないで終わるか、じゃない。「あの曲が問題になってるのか」ってな ことになるとさ、ライブでの演奏曲目も考えたりしてさ(笑)。
そういう意味では、このネットワークって言うのが、聞き手の側から突き上げ る、というか、アプローチする窓口となってるってことなんでしょうね。
そうね。

それと、買うほうもやりやすくなったんじゃない?
だからこそ、ちゃんとファンクラブつくって、会報も出したりとかしてるわけ なんだが。そういうところって、これまでは一番気にしてなかったところだけ れど…。
…そうね。ネットワークのせいもあるよね。 そういう聞き手の窓口があるから、そこを突っついてみよう、というかね。